例会後にまっぷす一同で夜の千川上水緑道を見学。 |
まず、話し合われたのは照明の高さについてです。道路や遊歩道、公園などでよく見かけ、街灯としてすぐ思いつく照明です。人の背丈よりはるかに高く、高さは4mから7mくらい、ポールの先端に取り付けられる照明です。広い範囲を照らす照明で、丸いガラスや傘のついたデザインをしています。歴史的な街路や橋に設けられる照明には、ポール部分に凝った意匠を施しているものもあります。
続きまして、人の背丈よりちょっとだけ高く、高さは3mくらいの照明です。顔の表情やしぐさが分かりやすく、照明の下で会話を楽しむことができます。高さが抑えられているのでメンテナンス性が良いと言われ、隣接する建物の2階部分に不快な光が差し込むことも抑えることができると言われています。ポール部分には市街地の案内などを設えることができます。
三番目といたしまして、人の背丈より低く、高さが1m未満の照明です。足元の地面を照らして路面の状態を私たちに知らせてくれたり、低木の草木や外部空間のオブジェを照らして雰囲気を形成するのに役立ったり、等間隔に設置して私たちを導き、あるいは交差する場所に設置して私たちに注意を喚起するのに役立ったりします。
最後に、地面などに埋め込んでしまう照明です。人の歩く地面に埋めて上側に光を放ったり、階段の段の部分に仕込んで間接的に光を放ったりして、歩くべき道筋を示したり、雰囲気作りに役立ったりする、エクステリアと一体となる照明です。このタイプの照明は、例会の行われた上石神井区民地域集会所の近くの路地に設置してある場所がありましたので、例会の終わった後に皆さんで見学に行きました。その路地には地面に埋め込んである以外には照明はなく、道路から建物の玄関までの通るべきルートを導く灯りとして役立っているようです。
高さ以外に、明るさや色などについて話し合われました。明るさは照度(ルクス)という単位で表され、公園は何ルクス以上などと、基準や推奨する値が設定されています。暗がりがあるとそこが死角となりますが、必要以上に明るくするとコストの上昇や光害などの弊害も出てきます。
色は色温度(ケルビン)という単位で表され、ランプにより電球色、昼白色、昼光色などと分かれています。赤っぽい光は温かみや安らぎを感じると言われ、青っぽい光は防犯効果があると言われています。
演色性についても話しが及びました。ランプによって演色性が異なり、演色性の高いものほど自然の色に近い見え方をします。かつてトンネル内の道路照明に多く用いられていたナトリウムランプは演色性が悪く、すべてがモノトーンにしか見えない状態でした。同じ種類のランプでは一般的には演色性が高いランプほど、金額も高くなります。
高さが1m未満の照明器具は心無い人によって破壊されることがあり、公共の場所には設置が躊躇される、という話しが出ました。ところがたくさん設置されている場所がありましたので、以下にご紹介いたします。
ボラード状に散らばって設置。ベンチ脇にもある。 |
照明器具の配置により、大きく二つのグループに分かれます。一つのグループは、ベンチが3基ほど設置してあるちょっとふくらみを持たせた歩道の中に、ボラード状の照明器具が散らばって立っているものです。T字の交差点に面していて、公園側から横断歩道を渡って進むと、ボラード状の照明器具が待ち受けていたかのように立ち、私たちの歩く地面を照らしてくれています。
照明の周りにつつじの花が開花。 |
歩道に沿って植栽の中に点々と設置。 |
看板はライトアップされている。 |
左側の照明は昼白色または昼光色、右側は電球色。 |
最後に、近所で見かけた虹の写真をお見せしてこの投稿を終わりにしたいと思います。皆さんご存知のように、虹は太陽の光と雨粒による自然現象です。雨上がりのすがすがしい空気と、水滴できらめいて見える周りの景色、見上げれば建物よりも高く、大きく広がる虹がそこにはあります。ほんの一瞬の、つかの間目にしただけで、幸せな気持ちになったり得した気分になります。見慣れた風景も光によって様変わりする良い例かと思います。